中国政府奨学金・国内選考通過後のプロセス
追記:2023-03-19
奨学金選考プロセスは毎年少しずつ変更点があり、過去の事例が参考にならないことも多くあります。
ここ数年はコロナでイレギュラーな状況が続いています。
最近の変更点で大きなものを挙げてみると、以下の通りです。
・書類選考・面接選考・最終合否結果のすべてがWEBサイト上で発表される
(受け入れ大学など合否以外の情報については、文部科学省より直接本人に通知される)
・修士、博士、普通進修生、高級進修生は、原則として、受入れ内諾書(予録取通知書)または指導教官の招聘状などの証明資料を取得することが必須となる。
23年度は書類応募の締め切りも前年度よりかなり前倒しになるなど、大きな変更が多い年となっています。
数年前と違い、現在は「国内選考さえ受かれば必ずどこかの大学に受け入れてもらえる」ことはなくなってしまったので、7月または8月に最終決定通知が来るまで安心できない状況が続くことになります。
このため、面接選考通過以降も落ち着かない日々が続くと思います。国内選考通過後のプロセスも大学によってまちまちですが、過去の事例からざっくりしたスケジュール感がつかめます。
国内選考通過後
日本国内選考が終了後、応募者情報が中国のCSCを経由して第一希望の志望大学に届けられます。追加の書類が必要であれば、大学から直接連絡が来ます。
CSCから大学へは、第一希望校から順に送られるので、突然第二希望、第三希望の大学から連絡が来た場合は、それより上位に記入した大学では不合格であったという可能性が高いです。
大学から応募者への連絡
大学から応募者への連絡がもしあるなら、早ければ、中国の大学の新学期手続きが落ち着いた3月の半ば頃からです。
23年度では、すでに第一希望の大学から連絡を受けた応募者もいます。
(※必要がなければ連絡は来ないので、過度に心配しなくて大丈夫です!)
各応募者に届いた大学からのお知らせメール(複数)の時期と内容から推測するに、留办(CSCシステム)から大学に応募書類が届いた時点で、「いついつまでにこの応募者の合否をCSCシステムに登録すること」と指示があるのではないかと思われます。この期限は比較的短く設定され、順次選考が行われたのち不合格者のデータはシステム経由で次の志望大学に回付される、という流れです。
多くの大学で6月まで自費生の募集をしているので、追加書類の提出や面接などが必要な場合は、補欠合格者も含め、遅くとも5月末、6月初めまでには連絡があるはずです。
芸術系選考の場合は、提出作品が本人の手によるものかを確かめる目的で、実技試験や作品制作動画提出依頼が行われることもあります。
書類選考のみ+追加書類不要の大学
内定→7〜8月に文科省から受入通知
不採用→次の大学に回付される
書類選考のみ+追加書類必要な大学
追加書類提出依頼メールが届く→大学出願サイトに登録またはメールで提出
内定→7〜8月に文科省から受入通知
不採用→次の大学に回付される
面接・試験が必要な大学
書類選考で不採用決定→次の大学に回付される
書類選考通過→選考実施日時メールが届く(直前のことが多い)→受験
内定→7〜8月に文科省から受入通知
不採用→次の大学に回付される
※志望上位大学で不採用の場合は、同様のフローを繰り返します。希望大学3校すべてに不採用が決まった時点で、補欠合格者に連絡が行くものと思われます。
追加書類を求められる場合
大学からはメールで連絡が来るので、CSCに登録したメールアドレスに届くメールを日々確認しましょう。
必要な追加書類というのは、各大学のWEB申請に必要な書類である場合が多いので、あらかじめ各大学のサイトでどんな書類が必要か確認しておきましょう。
CSCにアップロードした書類以外の資料が必要な場合はあらかじめ準備しておくとすぐに対応できます。
大学から求められる追加書類で多いのは、推薦状、経済担保人保証書、履歴書(CV)などがあります。
奨学金申請時にCSCアップロードは必須でなくても、この時点で必要になるケースがありますので、推薦状を書いてもらえそうな方がいれば早めに準備しておくとよいです。
CV提出が必要な場合は、「个人简历」などのキーワードで画像検索すると、どのように作ればよいかイメージがつかめます。
面接や筆記試験が実施される場合
人気大学・レベルの高い大学で学位をとる留学の場合は、オンラインで面接や試験の受験が必要なこともありますが、志望大学からまったく連絡がないまま、最終決定で受入大学が通知されるということも少なくないようです。
面接や試験のスケジュールのお知らせは、かなり直前に届くので、その点にも注意が必要です。フレキシブルに対応できるようにしておきましょう。
自費生として合格した
個別に各大学に自費学生として応募し、合格通知を得ておけば、少なくとも自費であれば留学はできることになり、秋以降の予定が確定できるのでその点では安心です。しかし、自費学生としての入学許可=奨学金生としての受け入れ確定ではない点に注意が必要です。
自費生として合格し、大学の留学生支援室に奨学金生としての合否を尋ねても、「自国の窓口機関に問い合わせるように」と回答するのみで結果を教えてくれない場合も多いようです(教えてくれる場合もあるので、担当者次第と言えそうですが)。
最終的には、文科省からの受入大学決定通知を待つことになります。
過去記事も参考になさってください。
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