中国政府奨学金に落ちた・不合格のケース

中国政府奨学金に落ちた・不合格のケース

中国政府奨学金に応募し、合格した体験談は見つかりますが、不合格となった体験談はなかなか見つかりません。
これまで関わった方々から聞いた不合格のケースについてご紹介します。

中国政府奨学金の合格倍率

JASSOが受け入れ窓口となる中国政府奨学金の募集人数は、毎年110人です。

応募人数および倍率は非公開となっています。

とはいえ、2019年のニュースで、「中国政府による奨学金を申請した日本人の数が今年に入って245人に達し、初めて200人を突破した」と報道がありました。

中国政府奨学金はJASSOのほかに日中友好協会が窓口になるタイプ(募集人数20人)と、このほかに直接大学に申請するB類もありますので、この数字からJASSOの倍率を単純に出すことはできないのですが、単純にJASSO+日中友好協会の募集人数を合わせた130人で考えても、倍率は2倍以下です。他の奨学金制度と比べると合格率はかなりよいほうと言えます。

コロナ禍以降、JASSOの書類審査合格者が120~140人前後のようです。書類選考通過者の10%以上が面接で不合格となることを考えると、過去の合格体験談に書いてあるような、「書類審査を通過すれば合格したも同然」といえるほど安心はできない状況です。

書類審査に不合格のケース

書類審査で不合格になるケースとして圧倒的に多いのが、書類の不備です。

締め切り日までに余裕をもって送付した場合は、書類の不備と再提出依頼のメールが届くこともあるようですが、こうしたケアレスミスでせっかくのチャンスを逃さないよう、不備がないか確認の上、発送しましょう。

書類が揃っているにもかかわらず不合格になるケースは、サンプル数が集まっていないので何とも言えませんが、ここ数年は第一~第三希望の大学に受け入れられなかった場合は面接選考を通過した後でも不合格(内定取り消し)となってしまうため、人気大学のみを志望する応募の場合は、その中である程度の人数、足切りされるケースがあると思われます。

あなたの最優先事項が奨学金受給であるなら、志望大学をできるだけ幅広く探してみることをお勧めします。レベルと地域を分散させて3つの大学を選びましょう。志望大学への応募者過多による書類選考足切りにかかることを防げます。

あなたの最優先事項が希望大学に進むことであれば、大学からあらかじめ内諾書を得ておくと安心です。

また、芸術学部を希望する場合は、じっくり時間をかけて提出作品を準備しましょう。芸術学部の場合は、美大の在校生・卒業生など、すでに専門教育を受けている応募者がほとんどなので、そうでない場合は説得力のある志望動機書と作品を用意するのが合格ポイントかと思います。書類選考通過後の面接選考合格率は、他の専攻と比べると高い年が多いようです。

面接選考で不合格のケース

書類選考の合格発表の前に、専攻ごとにグループ分けされ、自身の受験番号がメールで通知されます。合格発表はWebサイト上で実施され、そこに自身の受験番号があれば書類選考通過となり、面接選考についての詳細がメールにて知らされます。

面接選考は、現在はオンラインで実施されています。専攻分野ごとに3~5名にグループ分けされ、面接時間は一組20分ほど。3~4名の面接官に質問を受けることになります。

グループ分けは以下の通り。

A語学、文学 B教育、哲学、社会学 C歴史 D政治経済、経営管理、法学 E医学 F理工 G芸術

毎年、AとEが圧倒的に多いです。

今年の結果を見てみると、A語学、文学は書類選考合格者35名に対して、面接選考合格者が21名(補欠合格7名)、対してE医学は書類選考合格者44名に対して、面接選考合格者が40名(補欠合格1名)となっており、専攻分野によって合格率が異なってくることがわかります。

本科・修士博士・普通進修生すべてシャッフルされているので、中国語もペラペラ、研究計画を詳しく語る大学生や社会人を見て、本科を目指す高校生などはびっくりして委縮してしまうかもしれませんが、大丈夫です。落ち着いて自分の言葉で話しましょう。

過去に選考に参加した人の話を聞くと、厳しい面接官もいるようで、発言に対してダメ出しをされることもあるようです。うまく答えられなかったのに合格した、という話もよく聞くので、難しい質問や厳しいコメントを受けても、落ち着いて対処するようにしましょう。1度目は不合格で別の年の再受験で合格だった経験者の話では、1度目は優しい質問でうまく答えられたと思ったのに不合格で、別の年には厳しいコメントを受けて凹んでいたのに合格だった、とのことです。

人気大学ばかりを志望する場合は、各大学の志望者数で足切りされる可能性があります。正直なところ、面接時間はとても短いため、印象で差をつけるのは(よほど中国語が流暢で日本語の受け答えもしっかりしているなど、強いインパクトがない限り)難しいと思われます。

合格を狙うなら、事前に大学から内諾書を得ておくことを強くお勧めします。

しかし、内諾書を得ていても面接選考で不合格になったケースもあるので、運が左右する面も大きいと思います。不合格でもあきらめず、地方政府奨学金などを狙っていきましょう!

JASSO中国政府奨学金の面接選考に落ちた後できること

中国政府奨学金・面接選考通過後のプロセス

中国政府奨学金・最終合格発表