過食嘔吐とつきあう
学生時代に摂食障害を経験し、数年苦しい思いをしました。
ストレスをきっかけに過食がはじまり、体重増加に耐えかねて、過食嘔吐を繰り返すことになりました。
10年以上たった今でも、ときどき衝動的に過食をしてしまうことがあります。
生理など、身体のバイオリズムと深く関係しているので、「完治」することはおそらくないのだろうと思います。
それでも、今の私は健康的な生活を送れています。
出口が見えず、今苦しんでいる人が、少しでも楽になれるといいなと思いながら、書いています。
過食症とはなにか
1.短時間に、ふつうでは考えられない大量の食物を食べる
2.空腹感、満腹感をもたない
3.過食の後の自己誘発嘔吐や下剤の乱用
4.食べる姿、嘔吐する姿を人に見せたがらない
5.常に食べることが頭から離れない
最初はささいなことがきっかけでした。
食べることでストレス発散できるような気持ちになり、イライラするとやけ食いするようになりました。
ジャンクフードのような脂質の多い食べものを食べると、人間の脳は快楽を感じる神経伝達物質を出すのだそうです。
いわゆる報酬系という作用です。
この快楽を感じたいがために、食べる。
食べたこと自体がストレスになる。
その不快さを打ち消すためにまた食べる。
悪循環です。
病気なので、自分の力ではなかなか治すことはできないのですが、食べる自分を恥じているため、人に言えないまま悪化していく人が多いと思います。
摂食障害の悪化
最初にあったのは、「食べ過ぎる」という問題だけでした。
そこでうまく自分をコントロールできればよかったのですが、正常な判断ができず、自分自身を追い詰めてしまいました。
食べ過ぎるのであれば、食べ過ぎないような工夫が必要ですが、「運動すれば大丈夫」と、食べ過ぎることを容認したまま、対症療法としての「運動」「断食」「下剤」「嘔吐」を選んでしまった。
そして、悪化するきっかけになったのは、どのフェーズでも、「他人の言葉」でした。
自分に自信がなくなっているため、親しい人に自分の外見に対してフィードバックを求めます。
「太ってないよ」「変わってないよ」「そのままでじゅうぶんいいよ」という言葉を期待しますが、親しい人の率直な答えに、心を傷つけられてしまいます。
水を向けたのは自分自身なのですが、その言葉に傷つけられ、また自分の身体を痛めつける行為に及んでしまいます。
悪化のきっかけ
悪くなるもうひとつのきっかけは、摂食障害仲間の経験談です。
相談に乗ってくれた友人が同じように過食していました。
過食の解決策の一つとして、彼女は自分の常用している下剤を私にくれたのです。
食べ過ぎた後に吐くことを教えてくれたのも彼女でした。
あとから振り返ると、まっただなかにいる者同士だけで情報共有をすることは、病気の症状を悪化させることも多いのではないかと思います。
摂食障害になりやすい人
自分も含め、自己評価の低い人がなりやすいのではないかと思います。
自己評価の高低は、時期的なものもあるので、失恋したとか、すごい人がたくさんいる中に放り込まれたとか、そういったきっかけで起こることも多そうです。
自分を好きになってくれる人は、ちょっと変な人だと思い、手の届かないような人を、振り向いてくれないのをわかりながら好きになる、というような矛盾した気持ちがあるのは、自己評価が低いのです。
少しずつ、自分を好きになれるように、自分のダメさを許せるように、気持ちや行動を変えていくことが、摂食障害から離れていくための第一歩だと思っています。
これから少しずつ、自分と摂食障害とのつきあい方について書いていきます。
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