大学秘書を辞めた理由

大学秘書を辞めた理由

私は一身上の都合で大学秘書を辞めました。

任期のある雇用

大学秘書の仕事は、臨時職員・契約職員での契約がほとんどです。

多くの場合、任期のある雇用契約で、勤務できる期間が制限されています。

長くお勤めされている方が多いのですが、私はきりのよいところで退職しました。

大学秘書を辞めた理由

秘書を辞めたのは、次のような理由です。

常時つながっていることに疲れた

休みの日でも勤務時間外でもメールがとびかい、秘書への指示が頻発します。

最初は対応していましたが、通知をオフにして、勤務時間外はメールを見ないことにしました。
緊急時は電話がかかってくることもありました。

そもそも、勤務時間外にメールチェックを求めるのは、労働基準法違反です。
ボーナスや昇給などがあれば、まだ努力のし甲斐がありますが、オフィスワークとしてはかなり低い時給で働いている立場では、不満が募る一方です。

実際には、法律違反だからとつっぱねることが難しいのが秘書業務なのですが、私以外の人でも対応できるよう、共有フォルダにデータを整えているのに、どうすればいいか考えることなしに何でも頼ってこられるのはストレスでした。

裁量労働制で働く先生も多いので、時給で働く秘書の立場に無頓着というパターンも多いです。

大学秘書という仕事をクリアした

ある程度勤めた時点で、大学秘書という仕事をひととおり習得できたと感じました。
ゲームをクリアした感覚です。

比較的忙しく、業務の範囲が広いところでしたが、1年たつと次年度以降はルーティンとなり、負荷が低くなります。

ここで学べることは学べたかな、と感じたので、新しいステップを踏み出すために辞めました。

秘書に割ける人件費が決まっているので後任の方との引継期間は設けられず、申し送りなしでの退職でした。

残った人は困ることも多いでしょうが、安い時給で代わりのきくポジションとして秘書を扱っているので、私が心配してもしかたありません。この数十年で世の中全体がこのようなシステムになってしまったことはとても残念だと思います。

大学秘書を辞めた人たちの理由

私が在籍していたあいだにも、何人か知っている秘書さんたちが辞めていきました。

働き始めてすぐに、教授や周囲の人たちとうまくいかず、辞めていった人もいました。
(相性のよしあしは努力ではどうにもならないことも多いので、合わなければすぐに辞めるのも手だと思います。)

業務量が多すぎたり、少なすぎたりという不満で辞めていった人もいました。

自己都合でない退職だと、教授の退官ににともない退職(仕事がなくなる)というパターンもありました。

秘書という仕事が向いている人は、理不尽な要望をうまくいなすなどのスキルが高いです。
このスキルは、才能を持っていない人が無理して高めようとしても、高められないタイプの技術のように感じます。

私はずっと秘書として働く気はなかったので、秘書的なスキルを高めようとは思わず、一般企業の事務員的な感覚でマイペースに働いていたので、もしかすると異質な存在だったかもしれません。こういう人間でも働けるお部屋もあれば、はじきだされる部屋もあるということです。

部屋付きの秘書というのは独特な存在ですが、これまでの経験で身に着けてきたスキルが大学秘書という役割でも活かせるとわかったことは大きかったですが、ずっと続けたい職場ではありませんでした。前に書いたように、ゲームクリアの感覚が強く、飽きて次のステップに進みたくなり、退職しました。